FC2ブログ

栞代わりの制作メモ

・ツクールやMMF2などで作ったモノや できるまで

著者名は空っぽ3、全作品ひと口感想集。

著者名は空っぽ3という特定のテーマで
400字以内の小説を書く企画があるのですが
気まぐれで全部読んで感想書いてみました。
私のときはこういうことをやろうとする人間が
いなかったので。
書いた以上は読んで欲しい気持ちってあると
思うのですよ。

著者名が誰か、そこは考えずに
時には言葉を調べながら徒然に書いた
一口コメント(でも1つにつき4行以上)の
文章のみに向き合った内容です。
長いので続きます。
1 きのうふられた
彼女の現代の女子高生的なしゃべりが印象的で
”俺”の失恋した彼女に対する励ましながら
自分をアピールする頑張ってる男子感。
さりげなく、つららとつらたんとか
フレーとフリーが言葉遊びでかかっているようにも
思います。

2 初雪
最初は雪に子供を願う夫婦かと思いきや
途中からSFに転ずる。
雪が現実に降らなくなること……
最近の地球を見ていると
ないとは言い切れないんですよね。

3 スノードロップ
手袋でカップル二人してワカサギ釣りをする。
この”私”には例えば、東京で仕事を辞めてきたとか
そんな後ろ暗い要素もありそうだけど、
そんなことはあえて聞かない彼女の優しさ。
手袋ごしっていうのも直接は触れない隠喩にも思います。
それでも、手のぬくもりが温かそうなんですよね。
あと、後に42で出てきますが、
スノードロップ(待雪草)の花言葉は
希望と慰めです。

4 夜遊び
星の光が氷に映って、ウサギが跳ね回る
アスファルトなので舞台は現代だけども
描写は幻想的な文章ですね。
そんな中でウサギと子どもが追いかけっこをする、
童話的でもあり、楽しげです。

5 雪とみぞれ
非常に小説的な、環境からの心理描写が
面白いですね。頑固なんだけども素直じゃない父。
きっとこう”私”が思えるあたり、
生前からこういう人物だったんだろうなぁと
短いながらも読み手に思わせるのが素敵です。

6 あけましておめでとうございます
デトリタス≒有機物の死骸だそうで
食物連鎖的な循環を考えさせられながらも
なんでこれがこのタイトルなのかと考えると
一年というのも循環で、今まで過ごした日々が
闇雲なものであっても、新しい日々がやってくる
という意味合いも感じます。

7 雪像病
「人は二度死ぬ、一度目は身体の死、
二度目は忘れられることによる存在の死だ」と
いった旨の言葉を最近聞きましたが
それを手入れを怠ると崩れてしまう雪の性質で
表現した物語ですね。
この話自体は忘れられた死者の嘆きなんですが
じっくり読んでいるうちに
「忘れるというのは人に必要な生理現象であり、
ずっと覚えていて手入れを怠らなかったら
青年は前に進まなかったのではないか?
本当にこれを”過ち”と断じてしまっていいのか」
という疑問が出てきたんですよね。
いつまでも故人にとらわれていては
人は生きていけないのではないでしょうか?
ときどき思い出して故人を偲ぶくらいが良いと思うのです。

8 雪模様作戦
黒いものは爆撃機の爆弾、じゃあ白い雪は一体……?
というのが気になりますね。
白と黒の表現が多くて、白が自然現象、
黒が死を象徴するもののようなのですが
最後の白に関しては、後者になってて
さりげなく意表をつく描写に思います。

9 ゆき
途中の一文、「雪はきれいだ。しかし雪は冷たい」
が象徴的です。雪には坂道で困らされたにも
関わらず、手の上に舞い降りては消える、
儚げな魅力をもっている。
雪の二面性に着眼している印象です。

10 雪球
「」……の描写が何もない雪原を歩いてる印象を
受けます。
ずっと雪の中をさまよっていて
つかみどころのない話なので
読者も状況を掴みにくいのですが
夢だと思っていた雪原の方が現実で
遭難してて助かった、みたいな話
なのかもしれません。

11 氷面鏡
北海道から大志を抱いて上京してきたけど
課題に忙殺される日々は変わらなくて
そんな辛いときに故郷を連想させる雪を
見て、雪について調べることで
故郷を想う……、調べたり考えたりするのが
好きなんだけど、課題とは違う、もっと自由に
調べてみたい、という人物像な印象です。

12 待雪草
桜の木の下のくだりで、”君”は故人なの
印象付けますね。
故人だからこそ、そばにいるとも思えるわけで
風は冷たいのですが、雪が解けるのは
この主人公はそういうあたたかさを
感じているのでしょうね。
ちなみに頻出の待雪草ことスノードロップですが
死を連想させる花でもあります。

13 無題
戦いに来たら、女神がいて戦わずに済んだ!やった!
と思ったらそれがこの敵の作戦だったのでしょうね。
どんなに恐ろしい武器よりも、こういう優しさの方が
恐ろしいのかもしれませんね。
これ少年兵なのがミソで、大人だったら
まだひっかからなかったのかなとも思います。
あと、初見は少年同士の子どものケンカなのかなとも
読みはじめたのですが、
もうちょっと残酷な大人の戦争のようです。

14 今晩は雪が降るらしい
最初と最後、同じセリフなんだけど、発言者が違っていて
意図することも全く違っている物語。
スコット(僕)は子どもの頃の遊びを話しながらも
マイケルを寝袋につめて雪に埋める計画を練っていて
それをふまえると最後のセリフが怖いんですよね。
最初、この二人には明日以降がないから、
最期に子ども時代の遊びでもやるのかなと思っていましたが
どうやら最期はマイケルだけのようです。

15 初雪
登校拒否している智樹くんの状況に対して
現れたのが春香さん、状況を好転させそうなネーミングな
印象を受けます。
最後の一文はこのまま彼の状況が変わらないようにも読めるのですが
希望的観測として、これから起こる初恋の隠喩にも読めるんですよね。
ネーミングと合わせて後者だと思っています。

16 雪月花にあなたを想う
白居安の「雪月花の時、最も君を憶ふ」のオマージュですね。
元ネタは四季の美しい景物を詠んだ詩なのですが
雪と月がそろったので、桜が見えてもいいだろうと
酒と疲れでそういう雅なものを見たという発想が面白いです。
風流で本当に心地よさそうな眠りについたのでしょうね。

17 僕ら共同体
トガッタヤマヤマ島は調べても実在しなかったんですが
プカックは北極圏に住む先住民族のエスキモーの間で
実際使われている「雪」を表現する言葉のようです。
この共同体はまた違う民族なのでしょうが
「雪」という言葉を耳に入れて欲しくなかったんでしょうね。
言葉は文化でもありますから。
その出来事がきっかけで共同体の外に出ようとする。
マァヤは「共同体の外」の象徴なんでしょうね。

18 あの日、あの時、彼の家で
炬燵の中で彼と酸っぱいみかんを食べさせたりして
ラブラブしてる話。
サンタさん、みかんとかたわいもないやり取りが
幸せオーラ全開のぬくぬくあったか空間に
なってて、一緒にいるだけで幸せ感に溢れてます。
サンタさんが来るってことはクリスマスでもあるんですよね。

19 白き亡國の姫と黒の死神
ラノベの書き出しを持ってきた印象です。
<<黒の死神>>というあたりバトルもののように思います。
ここから物語が展開するんでしょうね。
ハロー!と出てくる水色の髪の少女はメインヒロインの一人な
印象で可愛いです。

20 冬の恩返し
宿場町、和服美人、番頭……と作中の言葉が
古き良き和の世界観を想像させて
木造の建物が並んでいる図が浮かびました。
財布自体の中身は少ないけども
それを拾ってもらえたことに意味があったという。

21 雪守の蔵
雪守蔵という新潟の酒があるそうで、
それをもじったタイトルですね。
雪の降らない土地で雪を見たらどんな反応をするのか
恐ろしくもあり美しくも感じるだろうというのが
この作者の見解のようで、そこにたどり着くまで
土倉に隠しているのが二要素をひきたてているように
思います。ところで新潟の雪が見えたんでしょうか?

22 カルチャーショック
新潟続きですが、雪が降る地域と降らない地域に
温度差を表現した物語です。
降らない地域にしてみれば、非日常なんですが
降る地域にしてみれば日常で、どちらかといえば
面倒なことばかりが浮かんでしまう。
雪はときどき降るくらいが
ちょうど楽しむにはいいんでしょうね。

23 望郷
赤石山脈(南アルプス)に生息していた
小ビンに入るくらい小さい、着陸だから鳥の話
と思うんだけど、最後に出てきたのは
舌は獣っぽい描写なので、なんだろう?
人間の街から故郷に帰ってきた話で
最後は温かく迎え入れられたのだとは思います。
生臭い肉っていうと人間の感覚だと生々しく思うのですが
動物の感覚だとコミュニケーションの一種なんでしょうね。

24 雪の降った日
雪の降る日に運命の日と言われると
まず答案用紙を頭に浮かべてしまうのだけど
それだと外に持ち出せないので
この用紙はラブレターじゃないかな。
一字一句間違いがないか確認するほど真剣でもあり
受け入れらなければ無駄になる。その可能性も高くて
不安でしょうがない感がよく出てます。

25 雪の日の、あの家で
途中まで、別れの歌謡曲の歌詞みたいな
印象を受けるけど、途中から読み手が変わる文章。
”僕”は”私”が待っていると思っていたけど自由になってって
本心には思いにくいし
「あなたを縛るものはもうない」とか「自由」と言葉にするほど
むしろかえって、束縛していた過去を感じてしまう。
この”私”はほかに故人の想い人がいて
その人の下にいっちゃったのかなと思います。

26 舞い降りて、冬。
前回もこんな感じの目の前の情景書いてみた的な文章が
あったような……。
可愛らしい一人遊びをしているようですが
実は山の頂上にいて、これ帰れないんじゃないでしょうか?
そんな極限状態でこれやっていると考えると
可愛らしいではすまない状態ですね……。

27 雪男の恋
ゆきだるまとそれを作った幼女の話を
一年に一度しか会えない恋人テイストで書いた印象です。
読者に「こんな身体でなければ」あたりで
どういうことなんだろうと
思わせて「僕を作り上げてくれるまで」とタイトルで
状況を理解させる構成になってますね。
彼女のセリフが「えへへ」ばかりなのは
本当に幼い子供な印象を受けます。

28 真冬の特攻隊
これ、どういう状況なんでしょう……?
雪にかき氷シロップでもかけて食べようとしているように
読めるのですけど、プレーンと言われるとヨーグルトを
連想しちゃうんですよね。
「今が夏でないこと」とイチゴからかき氷説を推すのですが。
バカなことを全力でやるコミカルなノリっぽいんですが、
一転最後はシリアスにも読めるんですよね。


29 寒中に見舞われ
雪ってたしかにこのくらい複雑な感情になりますよね。
降らない地域としては降ってくれたほうが冬らしくて良いけど
だからといって、たくさん降られると実害が出る。
その両面が考えられるあたり、視野の広い主人公です。
でも降ってきた分には嬉しいという
最後のセリフの三点リーダでさりげなく嬉しい感じが出てるのが
良い印象です。

30 flower
娘の母親とはぎこちない笑顔でやりとりする関係なあたり、
微妙さや気まずさが出ていて、
この後、離婚するか、あるいはこの母親は浮気相手なのか
なかなか娘に言い出せない関係にあるのはたしかな気がします。
「来年も見れるよ」「そう願ってる」は
来年別れて、一緒に見れない可能性を考慮しているように思います。

31 冬、硝子灯の照らす街角で
別れた彼女との写真を見ながら、幸せだったあの頃の追憶のようだけど
「最期」という漢字が気になる。別れた後、死亡したようにも読める。
語り手は首に痛みを患っているようなので、
語り手の最期って可能性もあるんですよね。

32 雪華の歌
雪の積もった河原で歌っている先輩との交流で、
いろんな面を見てきたけど、やっぱり一番最初に
聴いた歌をこの河原で聴くのが一番合うという。
出会ったときの笑顔も含めて思い出深いのだろうなぁと
感じる文章です。

33 ラヤーリー
ラヤーリーは演奏の際に、重要な音のことで
乞食になっていた王族に仕えて、新たな大王に
なってもらおうとするのだけど、
すでに自分の治める国は過去のものだからと渋るので
そこから説得していくんでしょうね。
これも黒と白のコントラストが利いてますね。
少しずつ説得していくさまと、国を少しずつ良くしていくであろう
未来の展望を描写しているように思います。

34 雪の季節ごと閉じ込めたい
スノードーム綺麗ですね。
雪が降ると飛び出すような彼女を
スノードームに閉じ込めるのは
叶わぬ願望だと思います。
綺麗で好きだから一か所に置いておきたいのでしょうけど
その魅力は動き回っている彼女に描写されているのだから
自由にさせておく方が綺麗だと思いますよ。

35 忘却
平成と平安、どちらが先かの史料も残っていない未来を
想像したのでしょうね。
32次大戦というのは圧倒的先のスケールを感じさせます。
雪の美しさ、白さの起源はいつからと真面目そうな文章ですが
そんなことより柿の種、美味しそうですね。和みます。

36 侵入者
「今日は誰かに会えるといいね」で
人間サイドもほかに人がいない結構荒廃した世界観に
雪原を使っている印象です。
虫からしてみれば、彼らの方が侵入者なんですよね。
この虫、最初に宇宙人かなとも思ったんですが
生存者を探すドローン的なものな可能性も考えたのですが
すると「オウトウナシ」が意味通らなくなるんですよね。
会話はまったりした印象を与えますが
いずれにしても生存者は少ないようです。

37 雪華溶々
雪ってどう数えるのだろう?からはじまって
その言葉を用いて、友のことを想うという
言葉遊びな文章です。
雪が解けて消えてしまう儚さのイメージが
モチーフになっているようにも思います。

38 白の温度
汚れたアスファルトを染め上げる白い雪という
描写が面白いもので
彼の言葉が自分が染み込んでいく様と重なって
なかなかに素敵な彼に対する想いが描写されています。
「今度は私が、あなたの肩に溶けたい」
恩義に思う部分もあれば、恋愛感情も入り混じってて
彼に何をするのか気になる結びです。

39 桜花の決意
自分の身代わりに事故にあった幼なじみに
お見舞いに来る物語。
4月の新しい年度が始まったあたりに
ようやく会いに来れたようで、本当に顔向け
できなかったんでしょうね。
さりげなく幼なじみの名前が仏花を
意味する言葉になっています。

40 雪より重大で、寒さより深刻なこと
恋愛ものっぽい書き出しだけど、オチまで読むと
おそろしくシュールでコミカルな内容。
二度読み推奨です。これは叙述トリックです。
こんな彼が現れたらそりゃあどうしたらいいか分からない。
でも、一応あったかそうではあるんですよね。
冬は助かるかもしれません。目のやり場には困りますが。

41 初雪の夜
雪が降るって降らない地域からすると非日常で
「何か面白いことないいだろうか」という平凡な日常に
雪が降ってくるだけでも非日常にできるんですよね。
ただ、最後が「心残り」なので
この後、風邪でもひいて雪に対してはあまり良い感情は
もたなかったのでしょうか。

42 待雪草
女に些細なことで関係を絶たれてしまい
泣き面に蜂といわんばかりに”俺”に襲い来る災難。
とことんかわいそうな印象ですが、そんな彼に対して
スノードロップ(待雪草)が咲いていて
花言葉通りにほんの少しの希望と慰めを与えてくれるという
ちょっと救いのある話。
ブロックの件、リアルな印象受けます。

43 白い景色
どうも雪原というのは荒廃した死の世界を表現するうえで
連想しやすいものなんでしょうね。
年末の話ですが、終末ともかけてこの時期設定なのでしょう。
ふところにネコを入れての二人旅、
それでも一人よりはずっとあったかそうな印象です。

44 おくりもの
弥生月と童という表現が昔話感出てますねぇ。
童のセリフがすべてひらがな表記なのも
無邪気な可愛らしさが出ていて良いです。
この童は氷の妖精とか精霊の類でしょうね。

45 キセキノユキ
ファンタジー→現代→ファンタジーみたいな世界観の
移り変わりがあるのですが、
雪の正体はファンタジーのようで現代的な生々しい要素を
もつなんともいえないもので、
天界の不幸が下界の幸福になる構図は
見ようによっては美談ですが、天界の心中を考えると
複雑な読後感になります。

46 雪の結晶
科学の結晶の話かと思いきや、別の結晶の話ですね。
細かいことまで説明したがる理系の夫と、
細かいことはどうでも良さそうな嫁のちぐはぐしてる感じだけど
仲はよろしいご様子。

47 深更白雪心随に流れ星
オチのセリフが全てのような気がします。
大半の文章から漂う自分に心酔した雰囲気が出てて
著名な絵画のよう、とか言いながら絶対ポーズ決めてると
思います。雪の冷たさと痛みの心地よさなんて
ちょっと痛めつけられるのとか好きそうな気質も感じます。
少年もとんでもないサンタに会ってしまったんでしょうね。

48 或る静かな晩
京都での能の舞台のような伝統的な掛け声や語り口調が
印象的な文章ですね。
最初は男と女が寄っていくのかと思えば、
2人ともなかなかの悪党のようで
今まさに斬りかからんとする、
そんな緊張感あふれるところで終わり、
ざく、さくの雪を踏み抜く音が静けさを
表現しながら良い味してます。

49 銀花
六花、一二花、放射樹枝、すべて雪の結晶についた名称で
雪は花や枝に例えられるんですよね。
そんな花、すなわち雪を塔の屋上で
誰よりも最初に見て、その雪の花を手に取って
踊る二人という非常にロマンチックな構図です。

50 懐かしの銀世界
子供のころは雪は遊び道具だけど、
大人になったら、雪での事故や友人が心配になる。
でも小学校の雪がなくなったことで、
そこで遊んだであろう子どもたちが想像できて
少し童心に戻る物語です。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://jtrshiogawa.blog.fc2.com/tb.php/346-0a64acd0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)