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栞代わりの制作メモ

・ツクールやMMF2などで作ったモノや できるまで

18年9月末フリゲ感想レビューまとめ

9月にプレイしたフリーゲームのレビューまとめになります。

今回は周回要素のあるゲームになりました。

内容は、いつも通りのふりーむ等に投稿したものと
ほぼ同一内容になりますが
おしばな物語だけは、ふりーむの感想欄に感想が入りきらなかったため、
カットした部分も含んだ内容になります。
(行数制限ってあったんですね)

1、嫉妬の剣 ( てむず工房 様 制作)
ヒロインたちの好感度に差をつけてスキルの威力を変動させる
ラッキースケベな短編王道RPG。
レビュー本文へ。

2、籠の街 (稲海 様 制作)
大人になりたくない少年ウェイトが坊や、お嬢様、
おばあちゃん、そして旅人とのあたたかな交流を描いた短編NOV。
レビュー本文へ。

3、おしばな物語 (ガキノハウス 様 制作)
シビアな階級社会でのし上がるべく
王子様の花嫁候補を育てる育成SLG。
レビュー本文へ。

では本文に続く。
180930review01.jpg
1、嫉妬の剣 ( てむず工房 様 制作)

クリア時間 3時間41分 (キャレスED)
      +4時間45分 (全ED回収、全スチル回収まで)
初クリアレベル 24、25

物理攻撃も魔法攻撃も無効化する魔物を連れた三人組に
村を襲われ、村人たちもさらわれてしまったオスカー。
その魔物に唯一有効なのは嫉妬の感情のこもった攻撃だった!
ヒロインたちの好感度に差をつけてその魔物を倒し
村人たちを取り戻す短編RPG。

システム的にはヒロイン間の好感度によって威力の変わるスキルが
いくつかあり、そのスキルでしかダメージを与えられないボスが
中盤から終盤にかけて登場するのが特徴的である。
好感度の一番高いヒロインとそのスキルを使用するヒロインの
好感度の差がダメージに加算される嫉妬攻撃が代表的で
一番高いヒロインは好感度がダメージに反映されるスキルを覚え、
敵側もこちらの好感度の平均値が威力になるスキルを使ってくると
好感度が重要なパラメータになってくる。

難易度としてはややRPG中級者向けで
ボス前の警告はあれど、回復ポイントはないので
回復アイテムを確保する必要がある。
ザコ戦の逃げるの成功率が低めで、1周目は戦った方が被害が少ない。
また、好感度スキルはTP消費スキルのため、
好感度スキルでないとダメージを与えられないボスの場合、
TPがたまるまでオスカーのみTPチャージ、
ヒロインは防御するしかないため
ややボスは固めに感じられる。物理攻撃の命中率がやや低めなのに加えて
好感度スキルでもたまに命中しないことがあるので
そういった点でも戦闘が長引くと思う。
中盤以降、経験値をたくさん落とす敵が
運の値によって時々出ることがあるが
終盤になると強力な魔法も撃ってくるので返り討ちにあうことも。

ヒロインとの好感度があるというと、恋愛ゲーに思われるかもしれないが、
イベントは現代ネタとラッキースケベでノリが軽く、恋愛要素は薄め。
敵幹部の一人のセリフが「マインクラ○トやってるみたいだぜ」とか
「リア充爆発しろ」だとか
幼女をさらう宗教団体の名前が「ロリロリコーン」で
そのボスの名前が「ジェイシー」「ジェイケイ」など
特にロッティ絡みのイベントはこういうネタを挟んでくる相手が多い。
ラッキースケベについてはスチルの大半がそれであり、
ヒロインとの出会い自体が
胸を凝視するスチルのものもあれば、
ヒロインと出会ってから、次に発生するスチルイベントで
必ず下着が見えるものが挿入され、
サブイベントのスチルでも、巨乳のエルフさんに縄跳びさせてみました、
幼女っぽい見た目のヒロインにスク―ル水着だけ置いて放置しました、
なので
よくこのサブイベントからお色気に持って行ったなぁ、とも思う。
中盤からの展開自体は王道RPGでシリアスな面や
NPCあたりの地理的なしっかりした設定もあるのだけど
どうしてもこの二要素の印象が強い。

好感度はイベント中の選択肢を選ぶ、プールイベント等でヒロインを選ぶ、
サブイベントを発生させる、プレゼントアイテムを使う
などで上げ下げすることができる。
相手が一人のイベントの場合は選択肢後の結果が
good!やhateなどで表示され、二人以上の場合は
結果は表示されないものの、変動はしている。
3枚目のスチルが表示されるサブイベントは
好感度がある程度以上(130くらい?)ないと発生しない。
(※サブイベントの発生する位置を記しておく。
キャレス…ゴエティアの商工会所の2階→王都の酒場のマスター、
マリア…王都のピエロ→子供たち、
ロッティ…ゴエティアの屋敷の2階)
プレゼントアイテムは、渡すと基本的に10上がるものの、
キャラによっては5下がるものもあるので注意。
上記のサブイベントで2個、それ以外で8個確認したが
2周目に引き継ぎできるので、1周目は使わない方が無難かもしれない。

ヒロインの好感度によってエンディングが変わるのだが
1周するのにクリアレベルの2週目のイージーでも2時間くらいかかる。
好感度は2周目から、あるアイテムを使うことで確認できるようになるので
EDを見たいだけなら2周目の分岐イベントの前で全員の好感度を140にして
そこからプレゼントで調整すると
1つエンド回収するのに40分くらいの時間でできる。
ただし共有セーブがないので、この方法だと
開発室でのスチルに反映されない。反映したい場合は周回する必要がある。
スチルがあるのは各ヒロインのエンドだけで、
孤独エンドはもちろん、博愛エンドでもスチルはなく
この2エンドはバッドエンド寄りなので
頑張って見るほどの価値があるかは悩みどころである。

※以下キャラについて 各エンドのネタバレも含む。
ここから一部白文字、反転して読む。

キャラについて
キャレスは幼なじみ世話焼きヒロインで、
個人的には戦闘でも使いやすくて気に入っているキャラなんだけど、
シナリオ上は不遇な印象で、
オスカーに面倒くさいと内心思われているように思う。
サブイベントでも面倒くさそうにあしらわれるし、
エンドでは思いきりケンカする。
他のヒロインのエンドでは一旦キャレスの方に行ったのに
出ていかれるというふられ方をする。
スチルでも他ヒロインと比べて
お色気要素がかなり薄いような…。

マリアは天然なエルフだけど、比較的出会って間もない川のイベントで
自分の身体的な魅力に興味をもつ選択肢で好感度上がったり、
下着系のプレゼントアイテムを渡すと
「着ているところ見てみたいですか? ダメですよ」と
笑顔で返したりするあたり魔性の女に思う。
苦手なものは焼いてしまえばいいじゃないという黒い面もある。
因縁の相手や過去自体はシリアス寄りではあるものの、
こういう女性、男性は好きでしょ?って要素を詰め込んだお色気要員な印象。

ロッティは見た目幼女のツンデレお嬢様。
プレゼントを渡した時、一番そのプレゼントに関する情報をくれる。
他の二人が押し倒すようなイベントでエンドなのに対し、
彼女だけ喫茶店でのデートなのでまともに恋愛している感がある。


オスカー、選択肢である程度どういう人物か変わる
コンセプトではあるものの、
ロッティに女性を襲ったりしないように冗談で忠告されたり、
マリアに出会ったときも胸の感想を事細かに描写したりで
元からやや変態寄りの人物のように思う。
女性に対して意地悪で不埒だけど、
強敵に襲われたときは率先して壁になる、みたいなのが
シナリオで想定されるキャラで、
そのスケベっぷりにヒロイン3人から愛想つかされるのが孤独エンド。
博愛エンドだとヒロイン3人から好感をもたれているようで
3人の中から決めなきゃいけない→女って面倒くさい→
旅に出て距離を置いて誰にするか考えるよ→その旅で新しい女に出会う、
というどうしようもない無責任かつ好色を披露した印象。
孤独エンドと結末自体は同じだけど、博愛エンドの方がダメ男に思う。
こういうエンドの彼の性格をふまえると
本作の選択肢はまともな選択を選ぶよりも
面倒そうにしたり、スケベなことを言ったりする方が
キャラ的にも特定のヒロインの好感度を下げるシステム的にも
しっくり来るように思う。


王道RPGに現代ネタやラッキースケベな強烈な要素を入れた
ライトなノリの一作。
男性向けである以上に、ライトノベルのハーレム物が好きな人や
女の子に意地悪をして冷たい視線を送られたい人の方が
本作は楽しめると思う。



180931review02.jpg
2、籠の街 (稲海 様 制作)

クリア時間 1時間30分 (坊や→お嬢様→おばあちゃん→旅人
            ※全て下エンド)
      +23分 (各エンドの上エンド)

大人になりたくない少年ウェイトが
何もない小さな街での
坊や、お嬢様、おばあちゃん、そして旅人との
あたたかな交流を描いた短編NOV。

本作のエンドの分岐構造について、
各キャラとのイベントが1回発生した後で、
選択肢で誰とこの後を過ごすかによって、その後のイベントが分岐、
この選択肢が3回出るので、その3回全てを同じキャラにした場合は
そのキャラのエンドリストの下エンドのイベントが発生し、
1回でも別のキャラのイベントを発生させた場合は
2回選んだキャラの上エンドのイベントになり、
2回選んだキャラがいなければ、おばあちゃんの上エンドのイベントになる
という分岐構造になっている。
各キャラについて一通りの紹介は最初のイベントで済まされているので
同じキャラを選び続けてまず各キャラの下エンドを見るのが
大半のプレイヤーの道筋だと思う。

各キャラについて
坊やはウェイトと年齢が近く、よく遊ぶ友だちで
効果音を自分で言うあたりが幼さが出ててかわいらしい。
仲直りしたと思ったら黙ったりして、
やりとりが小学生男子的なものを度々感じる。
大人になりたくないウェイトとは対照的に
早く大人になりたいのが坊やで
子どもの目線だと見えないもの、分からないものがいっぱいあって
それを大人に聞いても大人の表現をされてしまって
みんな嘘つきに思えてくる。
子どもの分からないことの辛さが印象的なシナリオ。

お嬢様は病弱で、できることを増やそうとするものの
中々上手くいかなくて、自分もいろんな人の世話になっているけど
このまま生きていられるか分からない、儚い存在。
彼女の言う、
「人を好きになることは素敵であり怖いことである」というのは
人間関係(と彼女自身)の繊細さを表現したものであり
そこから結論づけられる
「生きることとはきっと戦うことなのですわ」というのは
人と関わる上での自分の心構えとして大事なことで、
このあたりのエピソード、他人に興味を持てる人間なら
誰もが感じたことがあることで、共感度も高くて個人的に本作で一番好き。
テーマとなる弱さや繊細さとは裏腹に、芯の強い女性で
悪意を持って自分の人間関係に物申す相手に対する
手紙による迎撃反論はお見事というほかなくて
丁寧に応対しながらもきちんと自分の考えを伝えたうえに
「親愛と真心をこめて」を「友情をこめて」で返せるの
ほんのちょっとした言葉の違いに深い意味を込められていて
非常にセンスが良い。
直接的には大人になるというテーマとは関係のないシナリオのようで
世間を知らず親の決めた道を歩かされる、子どもから
自分の決めた人間関係の中で生きていくために戦う、大人になる、
暗にそういう大人観がこのシナリオには込められているように思う。

おばあちゃんは口が悪くパワフルでやや強引な面があって
ウェイトに両親がいない関係もあって、実質的な親になる。
ウェイトに料理をはじめとしたいろんなことをやらせるため、
彼の目線だとなんでこんなことを毎日強引にやらされるのか分からない。
プレイヤーにはおばあちゃん側のある事情がすぐに明かされるため
おばあちゃんは強情ゆえの不器用な面はあれど
親目線からの言うことを聞かない子どもを体感できるシナリオ。
大人は子どもの延長線で年齢という節目でなれるものではない、
親が教えてあげないといけないんだけど
だからといって、何でもかんでも教えてあげるわけにもいかない。
おばあちゃんはおそらくこういう考えだから
話を止めて「本当の大人はどうすればなれるか」ということは
述べなかったのだと思う。
本当の大人になるには、親だけではなれないのだと。

子どもと大人というテーマに
いろんな方向からアプローチをかけて考える一作。
本作に出てくる坊や、お嬢様、おばあちゃんは
それぞれが自分の考えを持ち、自分なりにやるべきことを
成そうとする姿に非常にあたたかい人間味があって
ウェイト君は本当に人間関係に恵まれているなぁと思った。
そして、三人の下エンドを見て、はじめからやると
イベントが追加され、そして、最後に交流できる旅人に
出会うことができる。

※以下、重大なネタバレあり。必ず旅人エンドを終えてから読むこと。
ここから一部白文字、反転して読む。

「流行病がやってきて、おばあちゃんもお嬢様も坊やも
みんな死んでしまった」
「ここで一人、死んだ人たちとの思い出を
眺めて暮らしているんだ。思い出と空想を混ぜて
こう話しかけたらきっとこう返してくれるだろうって
自問自答を繰り返している」
旅人イベントのウェイトのこの告白は衝撃的だった。
今まで、何もない街だとか言っていたけど
まさか、無人の街で一人で暮らす少年の話だったとは思わなくて
そもそもの「大人になりたくない」というのは
彼が大人にならざるをえない状況にいるから思い始めたことだった。
「みんなと暮らしたこの街を出たくない」と同義だったのかもしれない。
本作はあたたかい人間関係を描いてきたからこそ
ウェイトの気持ちが、籠に囚われたくなる気持ちが
非常に分かってしまう、本作の人間関係を楽しんだ人間ほど
この展開は刺さってしまうと思う。

お嬢様のイベントでも思ったことだが
本作は「手紙」の使い方が本当に巧み。
ウェイトがこの状況に耐えられなくなったときに
三人があんな手紙を遺しているのが素敵で
この手紙があることで、ウェイトの人間関係が全くの妄想ではなくて
過去にあったもので、今まで”坊や、お嬢様、おばあちゃん”と
抽象的に表現された彼らが、ここで名前が表記されることで
抽象的な存在ではなくて、具体的な存在であり
その実在性を印象づけるのも感服する。

思い出と空想の混合である要素を加味して考えると
三人のエンドについては
上エンドはウェイトにとって、都合よくすべての物事が
何もしないでも自然と解決してしまう完全なるウェイトの空想エンドで
「夢みたい」という言葉が頻出するのは本当に夢でしかないからだと思う。
下エンドは、問題に直面しながらもそれを解決しようとする彼らの生き様を
描いてるので、思い出成分が強い思い出エンドなのだと思う。
こっちは「これからも」が強調されていて、流行病さえ来なければ
きっと同じような日常が続いていたはずなのに、というウェイトの想いが
表現されているのだと思う。
旅人のエンドについても性質的には実は同じである。
すなわち、現実から目を背けて籠の街で一人で暮らすのが上エンドで、
思い出の街に囚われるのはやめて外に出るのが下エンドで
旅人の下エンドは今まで彼らが問題に直面し頑張ったのを
今度はウェイトがやる番にもなったようにも思える。
旅人イベントではあるが実質ウェイトイベントで、
今まで彼が言ってきた夢である「タイムスリップ」というキーワードと
旅人の出会う前に聞こえてきたセリフで
旅人の正体はすぐに分かるので合点がいくだろう。

大人目線、子ども目線、親目線、いろんな目線で本作は見ることができるのだけど
思い出と空想目線で見ると全く違う意味合いを持ってくる。
坊やの死んだ人間はどこへ行くのかと探し回るのはウェイトも同じことを
やったんじゃないだろうかとも思えてくるし
お嬢様の「生きていく以上は必ず人間と関わらなければいけません」も
人間と関わらずにひとりで生きようとしたウェイトに
このままではいけないという意味を含んでいるようにも思え、
おばあちゃんのイベントのウェイトのいないところで咳き込むの
おばあちゃんがいつまでも生きていると思った自分に対する後悔でしかないんじゃないかとも
思える。このゲームを旅人エンドの後に2周するのは心情的に切ないが
どこまでが思い出でどこからが空想かを考えながらプレイすると味わい深いものになるだろう。


旅人ルートで本当に様々なことが一転してしまう
あたたかい分、切ない一作。
大人になることや人間関係、生きることについて
良質なシナリオで考えてみたい人にはぜひおススメしたい。

180930review03.jpg
3、おしばな物語 (ガキノハウス 様 制作)

クリア時間 5時間55分(ED6)
      +6時間9分 (全エンド回収まで)
      +36分(全洋服回収まで)

王宮を追われたフラワーメイヤーのルカーヒが
スタルウェブ魔法兵隊長の妹モリスを
王子様の妻、フラワーに選ばれるように育てる育成SLG。

1ヶ月が28日(4週間)で構成され、
1月7日から12月21日までの350日の行動を1日ずつ決めていく。
行動によってパラメータが上がるものもあれば下がるものもあって
大半の行動で下がってしまい、その結果状態異常の条件や
エンド条件になるパラメータ(代表的なものは好意)
を上手く上げる必要もあって、バランス感覚が求められる。

本作を進める上でまず指針になるのがフラワー試験である。
フラワー試験は月の2週目の日曜に行われ、
試験ごとに求められるパラメータが違い
どのパラメータがどのくらいの量あれば勝てるかは
セーブロード項目の大会表を見れば分かるようになっている。
多くのプレイヤーは次の月の試験のフラワー試験に勝つことを目標に
パラメータを上げて、モリスを育てていけばいいことに気づくので
プレイヤーを本作のシステムを理解させるうえで
良い方向づけになっている。
もちろん、このフラワー試験の勝った回数が
一部エンドにも影響してくる。

本作の難易度は全くの初見で手探りでプレイするとかなり高いと思われる。
添付されているエンド条件や
攻略サイトでどの行動がどうパラメータを変化させるかを把握しながらやると
だいぶ下がるので、この2つは見てしまっても良いと思う。
また、最初に選べる難易度に関しては
おそらくモリスの初期パラメータの違いだけである。
ノーマルで始めると人気以外が50で
ベリーイージーだと体力知力が80、乗馬舞踏美術が100、
意欲気品魅力が80、従順博愛が60、好意が100で始まる。
ある程度余裕をもってプレイしたいならベリーイージーがおススメ。
ノーマルだとちょっとした選択ミスが致命的になりやすくなかなかシビアで
ギリギリでフラワー試験になんとか勝てるパラメータになることも多かった。

月末近くの日曜日あたりに
イベントが挿入されることが多い。
本作のイベントは全体的にスチルが多く、
そのスチルもキャラクター一人をフォーカスしたものも多いので
非常に迫力があって世界観に引き込まれる力があって
見ごたえがあるものになっている。
演出絡みで、ツクール製のゲームとしては珍しく
オープニングやエンディングにもムービーが使用されており
オープニングの段階でおおっとなった人も多いだろう。

また、イベントごとにモリスの服装は変わっており
イベントで見たものに関しては育成パートでも
着せることができる着せ替え要素も存在する。
特定のエンドを見ることで入手できるもの、
特殊な条件を満たすことで入手できるものも存在しており
ちょっとした本作のやりこみ要素の1つになっている。
その衣装の数は60を超え、
可愛らしいデザインのものはもちろん、
露出の高いものや彼シャツ等のお色気衣装もある、
服装によって、髪型や表情も変わってくるのも面白い。
個人的な趣味だと、人魚姫の衣装がお気に入りで
入手後はずっと着せていた。
後はブルーリボンの服がストレートにかわいらしい感じが出ていて、
見習い軍服は前作にあたる少年旗戦エンボイズを彷彿とさせて
それぞれ好みの服装だった。

シナリオは階級社会の恐ろしさをとことん詰め込んだ内容で
上流階級の人々が陰湿で
下々の人々に手を貸すことは彼らにとっては、はしたない行為であり
身分の低い人間をボロ衣扱いして暴行する者もいる。
とことんみじめな思いを味わうことができ、
ルカーヒたちの下剋上のためにもモリスをフラワーにするべく
育成を頑張るというモチベーションにもつながっている。
意地悪を受けてきた女性が王子様に認められることで幸せになる、
本作はシンデレラを少し意識したシナリオだと思う。
ただ、モリスには想い人がいて、彼女はその人物のために
フラワーになるべく頑張っているのだけど、
フラワーになるにはその想いを捨てなければならない。
彼女がフラワーになるというのは表面的にはルカーヒたち全員が
幸せになることだけど、実態もそうなのかは
途中あたりから疑問に覚えてくる。
その他方で、貧民階級の人々とのあたたかい交流の中で出てきた
「宝」というのが本作のキーワードで
「ほかのものを捨ててでも、自分が守りたい宝は何か」という
問いかけも含んでいると思う。

※以下、ちょっとした攻略メモ。

完全な手探りプレイをする場合は
習い事コマンドは費用も高く、曲者ぞろいなので注意。
ダンスとバレエは、どっちも舞踏が上がりそうだけど
片方は舞踏で、もう片方は美術が上がるコマンドで
このことが把握できてないと6月の舞踏試験で負ける。
また、ピアノは舞踏と美術が上がるため、習い事の費用を安く抑えられ
8月の全試験に向けて便利なコマンドに見えるのだけど
使いすぎると次の9月の面接で意欲が足らなくなる。
9月の面接から人気意欲気品魅力貞操が求められるが
これらのパラメータは何で上がるかが分かりづらいので
どの行動で上げられるかを把握していないと
かなり辛い育成になると思う。

土曜日コマンドは費用もかからず能力も上げやすい、
フラワー試験のために能力を調整しやすい日なのだが、
上がりにくい人気と魅力を上げられる広場や
男性キャラの好感度を上げられるデートコマンドもあるので
どのエンドを目指すかで大きく行動が変わってくる
一週間の中では最重要な日だと思う。
特に男性キャラを攻略する場合は
デートできる期間が限られていて
これを逃すと好感度をかなり上げにくいので
積極的にデートしていきたいところ。

日曜日は郵便受けのチェックと関係面談で
お金とアイテムと好感度を少しでも稼いでおきたい。
数値的には微々たるものでも
その微々たる数値が足りなくてエンド条件を満たせないこともあるので
重要性は高いとも思う。

基本的に休憩コマンドはHPが切れたときに強制的に選ぶしかなくなる
ペナルティコマンドであり、能力も下がってしまうデメリットが強い。
HPが少なくなって来たら、赤い薬で回復する方が良い。

ルカーヒの行動について序盤はフラワー試験のために指導力を高め、
いずれもが140を超えたあたりから
ふれあいにすると下がりやすい好意をカバーできる。
ルカーヒの行動の結果がパラメータに反映されるのは
金曜日にまとめてなので、その点はやや注意。

本作はイベントをすべてスキップしても1周するの2時間はかかる。
効率よくエンド回収するのであれば、1周目のセーブデータの
9月頃、11月始めの2つを残しておきたい。
ED7、ED9、ED10は求められるパラメータがそこまで高くないため、
11月初めからの2か月があればおそらく達成できる。
何もしなければED11、好意をわざと下げてED2も狙える。
ED10はパラメータではなく特定の行動を選んだ回数のため、
少し余裕を持たせて9月頃のセーブデータを用いる。
メイサの好感度がある程度あるならそのままED4も目指せる。

2周目は全員好感度30にしてベリーイージーではじめて
フラワー試験に勝つことを目指しながらも土曜に
日向ぼっこできるときははスタルウェブ、
できないで森の湖に行けるときはメイサ、
終盤はアルバートの好感度を上げていく。
メイサはED1を見るための要員なので好感度以外は放置、
大会でずっと応援しているとアルバートが10月くらいに
秘密の遊びに誘ってくるので、そこでセーブデータを分けて
ED1→ED5→ED3と回収した。

※エンドと各キャラについて、ネタバレ度高いので
全エンド後読むのを推奨。

おそらく、フラワー試験という明確な目標を目指して進むと
初見プレイヤーの多くは王子エンド(ED6)にたどり着く。
このエンドは当初の目的通りのエンドで
モリスが王子様に選ばれてプリンセスになる。
王子さまはシナリオに出てきた上流階級の人々とは
うってかわってかなり良い人で
表面的にはモリスも幸せそうに見えるけど
最後のスチルが消える直前に涙がうっすらと映る演出、
あれを見たときに、これは彼女にとっての幸せではないんだなと
思わされる。シンデレラを意識していると先述したが
この点ではシンデレラの王子と結婚したら幸せになれる結末に
アンチテーゼ的な立場を取っているようにも思う。
このエンド見た後で彼女の幸せを探して
ほかのエンドを目指すというのが想定された道すじなのだろう。

メイサ教官、前作にあたるエンボイズでは
悩める硬派な男な印象だったのだけども
「はっはっはっ」という笑い声がよく似合う
自信たっぷりの色男になっていて、
メインシナリオ中でも口説いてるっぽいセリフが
ちらほらある。
エンボイズをプレイしていると
おそらく驚く要素の1つだろう。
過去に大事なものを失っている点ではどちらも共通。
困ったときに一番モリスを助けてくれるのは彼で
カッコいい場面を多く、
メインシナリオ中でもちょっとした関係を持てるっぽいので
まずは彼のエンドを目指すプレイヤーも多いと思う。
従順な人よりも主張する人の方が好みとか言いながらも
彼のエンド条件は従順をかなり上げないといけない、
しかも、従順はメイサエンド以外では必要とされず、
談笑、ルカーヒのふれあいで
好意を上げようとすると自然と下がってしまうパラメータで
中盤くらいに離脱してしまうのでデートもできるときにやっておかないと
厳しい、と攻略難度の高いキャラに感じた。
メイサエンドを目指さないなら、従順は全く上げる必要がなくなるので
好意を上げるのが楽になる、

アルバート隊長、前作では父親の権力を盾にやりたい放題やっていたものの、
今作では誕生日とかデートとかデレる甘えん坊な印象が強かった。
ボンボンという意味ではしっくりくるキャラ。
彼のエンドではモリスの「ほら、あなたがんばって」って言われてたり
魔法兵隊長に叩かれるのにビビってたりとか
モリスの尻にしかれてそうで
実は結構可愛いキャラだったんじゃないかと思えてくる不思議。
魅力の上げ方さえ分かれば、そこまで攻略難度は高くない。
好感度イベントが後半に集中しているのもあって、
フラワー試験をある程度終えてからでも攻略が間に合うような気がする。
後半からずっとデートできるのもあって
秘密の遊びに誘う回数もメイサと比べて多いような。
(自プレイだとメイサは
最終日の直前しか誘ってこない)

スタルウェブ魔法兵隊長、子どもっぽくて曲者だけど
エンボイズではここぞというタイミングで物申してくれるので
マジカルバカとプレイヤーから愛されてきた人物。
今作もそういう路線だけど、素直じゃないというか
不器用な人だなぁとよく思った。
表向きは金と出世と欲望にまみれた汚い人間っぽく見せながらも
本心では誰よりも義理の妹モリスの幸せを願っている。
モリスもモリスで、本当に好きなのは彼で
彼のためにプリンセスになろうとするという
素直じゃないよなぁ、このカップルとよく思った。
そんな二人がいろんな人たちの力を借りて
ようやく本音で語り合えたのがスタルウェブエンドに思う。
条件は厳しいけど、気づいてくると
くっつけてあげたくなるよなぁ、この二人。
グランドフィナーレで本作を締めくくるのに
ふさわしいのでぜひ見て欲しい。

ルカーヒ、主人公の一人ながら、最初は上流階級の思想で
好みは分かれる、
ただ、ボロ衣の件でだいぶ丸くなっていって
おしばなで自分のやってきたことの意味を知る。
スタルウェブエンドのモリスを好きな男の元へ行きなさいと言うの
ものすごくカッコいいし、突き放すようで
失敗しても帰って来れる場所を作ってくれる。
どのエンドでもどんなにモリスが酷い状況に陥ろうとも
ルカーヒはモリスを見捨てずに会いに来てくれる
本作屈指の情の深い人だと思う。
スタルウェブエンドは今まで謎だった箱の中身、
彼女の失脚の理由が明かされた上での彼女の救済物語でもある。
これがサマーヒとの会話で進んでいくというのも面白くて
サマーヒも今までの意地悪な印象から
この人も苦労人だったんだなぁと思えてくる。
モリスとスタルウェブ魔法兵隊長、
ルカーヒとサマーヒ、の2組の家族の再会でもあって、
その家族がようやく本音で分かり合える、そんなカタルシスもある。
近くにいるようで実は遠い、という冒頭の星の話、
実は、家族のことを表現していたんじゃないかなとも思えてくる。

おまけでウーゴ少年、トラブルの原因になりやすいんだけど
本作のタイトルの意味を教えてくれたり、
30歳になるまでに結婚してなかったら結婚してあげるとか
個人的にものすごく癒しキャラ。
だからモリスとのキスシーンや結婚エンドっぽいのがあるのには
本当に驚いた。まさかのダークホースだったとは。


時間はかかって、暗めの世界観ではあるのだけど
その分、そんな世界で生き抜くキャラたちは魅力的でもあるし
ものすごくどっぷり世界にハマれるゲームだと思う。
中世の世界が好きな人はもちろん、
どこか素直になれないキャラや
計画的にパラメータを育成するのが好きな人にもおススメしたい一作。

おまけ
初プレイ時クリアパラメータ等。
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