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栞代わりの制作メモ

・ツクールやMMF2などで作ったモノや できるまで

18年7月末フリゲ感想レビューまとめ

7月にプレイしたフリーゲームのレビューまとめになります。

内容は、いつも通りのふりーむ等に投稿したものと
ほぼ同一内容になります。
また、タイトルをクリックすると、DL先に飛びます。

1、樹とあそぼ!  ( fiore 様 制作)
男の子と頭を撫でたり遊んだりして
ちょっとした時間を過ごす掌編乙女ADV。
レビュー本文へ。

2、霧と太陽の王  ( ゆきはな 様 制作)
王様が、少女ルシャナを人間の世界へ帰してあげるために、
個性豊かな異形の者たちと関わる謎解き要素のある短編探索ADV。
レビュー本文へ。

では、本文に続きます。

180731review01.jpg
1、樹とあそぼ!  ( fiore 様 制作)

クリア時間 1週1分ほど
スチルコンプリートまで 10分

お姉さんが男の子と頭を撫でたり遊んだりして
ちょっとした時間を過ごす掌編乙女ADV。

選択肢を選ぶ場面が3回あり、
1回目は主人公への呼び方が変わり、2回目と3回目の選択肢の
組み合わせで、その後のエンディングが変わる
シンプルなシステムになっている。
選んだ選択肢によって、その結果がミニスチルで
表現され、かわいらしいやり取りを見ることができる。

よほど邪険に扱わない限り、樹君はかわいらしい男の子。
好感度がある状態のエンドだと
「ドキドキした?」「早く大きくなってお嫁さんにもらうんだ」
等々あざとかわいい魅力も見せてくれる。
その反面、邪険に扱い続けた時の彼は怖い。
「二度と選ばないでね」と言われるのだけど
もう一回同じことをすると、全く別の展開を見ることができる。
まさか、こんなところにスチルがあるとは思ってなくて
驚いたのと、この展開から察するに
樹君ってもしかして・・・と示唆的な内容になっている。
わざわざ好感度を口にする樹君が
親切設計だけどメタっぽいなぁと当初思っていたのだけど
この展開を見た後だと、意味深に思えてくる。
そういうことも含めて一見の価値があるので
あえて2回意地悪な選択を選んでみてほしい。


選択肢3回でミニスチルで表現されている部分もあって
会話自体も短めにできているので、
ちょっとした時間で男の子と遊びたい人向けな一作といえる。


180731review02.jpg

2、霧と太陽の王  ( ゆきはな 様 制作)

クリアタイム 1時間28分(バッドバッド)
       +36分 (全エンド回収まで。
バッド→ノーマル→トゥルー)
       +28分 (オマケエピソード2本まで)

王様が、霧の国の城で倒れていた少女ルシャナを
彼女の落とし物を見つけて人間の世界へ帰してあげるために、
個性豊かな異形の者たちと関わる
謎解き要素のある短編探索ADV。

本作の特徴としてまずあげたいのが
背景からキャラまで白黒の鉛筆画で描かれた世界に
霧をモチーフにした住人たちだったり
霧が晴れた場所に風車が置いてあったりと
デザインが良くて、ひきこまれる世界観である。

システム的に、サイドビューのADVで
ご飯を作ってもらうためだったり
鍵を譲ってもらうためだったり、
様々な理由で、城にいる異形たちと関わっていき
彼らの起こすイベントを周囲を探索することで
クリアしていくというものである。
そのイベント中でいくつか謎解き要素が含まれている。
いずれもちょっとした連想で解けるものが大半だが
図書室だけは辞書のスクショを撮って
暗号文を解読するという作業が必要になる。
なぜ王様だけが人間に対して優しいのか、
ルシャナがなぜここにいるのかなど
いくつかの謎がシナリオ上にも仕込まれており
徐々にそれが明かされていくのも楽しめる。

エンディング分岐は4つあるが、
バッドバッド以外は最後の選択肢2つをどう答えるかで
分岐し、バッドバッドも時計番のイベント後に仕立て屋のイベントを
発生させた状態で終盤のイベントである行動を取り続ければ発生するため
仕立て屋のイベントを発生させ、塔の最上階の檻の手前で
セーブすれば、全エンド回収しやすいようにできている。

本作で描かれている王様は
「誰も僕の言うこと聞いてくれないじゃないか」とぼやく通り
誰かに命令して何かをさせるステレオタイプな王様ではなくて
みんなを見て、守ってくれるようなどこか父親的な
役割を期待されているような印象もある。
そういう見方をすると、この城の住人たちは
「言うことはあんまり聞かないけど、
お父さんに構ってほしい子どもたち」にも
見えてきて、なかなか可愛らしい。

ルシャナとの関係は、父親と年ごろになる前の娘さんみたいにも
見えてきて、城の中には人間を普通に喰う存在が多いのもあるけど
王様の後ろにピタッとくっついていったり、
本を読み聞かせてもらったり、
足をくじいたら王様の手の上に乗せてもらったり
ルシャナが全くしゃべらないのもあって
守ってあげないといけない可愛らしさが印象的である。

異形達は個性的でありながらも
料理人の最初の会話からも、人間を食べ物として見ているフシが
強かったあたり、クセもなかなかに強い。
時計番も見て見てー!と可愛らしさをふりまきながら
見せられるものは王様曰く悪趣味だったり
中でも強烈なのは仕立屋。最初はやたらテンション高い愉快なキャラかと
思いきや、言葉巧みに王様を懐柔しようとしたり
グルっぽかった糸紡ぎに対する仕打ちといい、
ボイスのキャラもものすごく立っているあたり、非常に曲者。
また、霧の住人も王様と一緒にいるときは全く怖くないけれど
ルシャナ一人になって牢屋で追いかけられたあたりで
駒をボリボリ食べていた布石もあって、なかなかに怖い思いを
させてくれる。
本作で途中にテーマでも出てくる「"愉快"な表向きの物語」と、
「"残酷"な原典」という童話の二面性が
キャラにも反映されているような印象もある。

本作の人間は、伝統に従うしかできなかった姿が印象的で
異形たちに比べると冷淡なイメージが強い。
元々、こういう状況になった原因が人間にあるわけでもあり、
それに一番振り回されたのがあの優しい王様だったとも思う。

エンディングについて。

バッドバッドエンドは強烈な仕立屋の口車に乗ってしまうのが
発端なだけに、内容的にも強烈。
一応、このエンドは王様、ルシャナの二人ともが命を落とすことが全くない
唯一のエンドでもあって、王様もカッコいい姿になる。
だけども、ルシャナを「飼う」だの、彼女が嬉しいから泣いてると
思いこむあたり、どこまでも強引で間違った男らしさを見たような気分になる。
この王様、ルシャナの言うことは全く聞いてないだろうし
これからもいろんなものを押しつけられていく姿が想像できて
(あの優しい父親的な)王様、どこ・・・?と言いたくなるのも分かる。
生きているけれど、もはや別人という、そういう点で
バッドバッドと銘打たれるだけはある。

今作のバッドの基準は優しい王様がその優しさを喪失するかどうかで
決まるのだと思う。バッドバッドはどうしようないくらい別人で
バッドは憎しみのあまりに覚醒してしまうエンド。
ノーマルも実質的にはバッドだと個人的には思うけど
王様は優しいまま、死んでしまうわけだから
その一点でバッドじゃないのだろうなぁと思いながらも
「遊びにおいで」という約束を覚えてるルシャナが
すごく切ない。

トゥルーはルシャナが撃たれたあたり、一瞬救いがないのかと
思ってしまったけど、バッドと違ってこちらは
王様はきちんと約束を果たしたわけで、
救いのある結末になってよかった。
そして、このエンドで個人的に印象的だったのは
最後に出てきた宰相たち。
王様が影の王にはもうなってくれないのを残念がりながらも
宰相は自分の名前教えたり、ほかのメンバーが
宰相を励ましてるようにも見えたりで
なんだかんだにくめない人(?)たちだよなぁと
最後まで思わせてくれるあたりが素敵。


バッドバッドorトゥルークリア後のおまけシナリオについて。

おまけシナリオ1は本作の前日談ともいえる内容、
本編でも語られた部分で、
きちんと影の国になってしまった場面をやってくれる。
本編は童話的な内容だけど、このシナリオに関しては
少女コミック寄りな内容にも思える。
囚われのお姫様とそのお姫様に外の世界を見せてあげようとする王様って
まさに王道で、王様もなかなかにイケメン。
本編は父と娘の印象が強かったけれど、
こういう形で見ると、恋人同士結ばれそうで
本作って何世代も時代を越えた
ラブストーリーでもあると思う。


おまけシナリオ2は本編のキャラを使ったファンディスクと
思ってもいい。
説明文からコミカルそうに思いながら、
最初に流れるからあげソングにびっくり、
王様も丸々としたデザインで可愛くなってるし
そして鳥っぽい王様にからあげを買いに行かせるという
なかなかにシュールな構図に。
他の住人もなかなかにカオス。
宰相の部屋に王様ポスターがいっぱいあったりで
どれだけ王様好きなんだと思ったり
(宰相は人間嫌いというよりも王様ラブな印象がなぜか強い)
料理人がこっそり時計番より可愛く思ってほしそうにしてたりで
本編では見せなかった意外な(そしてお茶目な)一面が
見られる。エンドネタもこっそり仕込んでたり、
そして最後に出てくるからあげの着ぐるみという
いったいどこからそんな発想が出てきたの!と思わずツッコミを
いれずにはいられないシロモノまで出てくる。
かわいいといえばかわいいけれど
果たして、これを王様が着る日が来るのだろうかと少し思ったりも。
・・・本編が切ない結末を迎えることが多い分、
これはこれでみんな幸せそうにしてるので、
理想的な世界なのかもしれない。


モノクロの引きこまれる世界観に
二面性の異形たちと、楽しさも怖さも含んだ一作。
童話の世界を体験してみたい人向けでもあるし
王様の優しい父性的な魅力やそんな王様に守られながら
危険な場所を歩く点では
見守られたいヒロイックな気分を味わいたい人向けでもあると思う。



では、またどこかで。
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