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栞代わりの制作メモ

・ツクールやMMF2などで作ったモノや できるまで

18年1月末フリゲ感想レビューまとめ

本年初のフリゲ感想レビューまとめ記事になります。
去年までと同様に、ふりーむ等に投稿したものと同一内容になります。
また、タイトルをクリックすると、DL先に飛びます。

1、うたかたエンゲージ (とまと 様 制作)
誰もいない雪の世界の切なさの中をお嬢様のために歩いていく掌編ADV。
レビュー本文へ。

2、スイートスイートクリスマス (イシル 様 制作)
上れそうなところからジャンプしていく可愛らしいほのぼの掌編ACT。
レビュー本文へ。

3、宵闇ノ影 (C3 様 制作)
舞台設定、オブジェクトの作りこみが光る、
ビル内をじっくり探索する短編ホラー。
レビュー本文へ。

4、嘆きの川が凍りきる前に (★Blue Comet 様 制作)
記憶喪失になった”僕”がお兄さんの昔話を聞く掌編ノベル。
レビュー本文へ。

ではいつもどおりに続きます。
1、うたかたエンゲージ (とまと 様 制作)
プレイ時間 25分 (2周分)

お嬢様のために部品を探して
雪の中を歩くメイドの掌編ADV。

システム的には前に進むか、後ろに戻るかの
2つの行動ができ、行動するたびにHPが減っていく。
HPが0になるとゲームオーバーになってしまうので
その前に、途中で拾ったアイテムを使うことで回復するか
あるいは家に帰ると全回復できる。
ただし、家に帰るとHPの最大値が減ってしまうので
基本的には部品を見つけるまでは帰らない方が良い。

部品と回復アイテムを見つけられるかは
運に依存する部分が多いので
楽に見つかる場合もあれば、なかなか見つからない場合もある。
プレイした感覚的には確率はそこまで低くないようなので、
(だいたい40mくらいまでには見つけられるので)
難易度的には低め。ただ、油断して回復を怠ると
ゲームオーバーにはなるくらい。

本作の特徴として、1文ずつの短めのテキストしか表示されないものの
その1文や背景から非常に雰囲気が出ており
状況がある程度想像できるタイプのゲーム。
明言はされていないものの、
本作に登場するアイテムや描写から
彼女たちが何者なのかは比較的すぐ分かるだろう。
先述した雪の中を歩いてHPが減っていくというのも
儚さが出ていて良い。

セリフにほんのりと百合要素がある。
百合である以上に、彼女たちの正体をふまえると
ますます、うたかたの切なさが出ている印象である。
こういう感情を持てたこと自体が
奇跡的なことであり、だからこそ、
それはうたかたに過ぎないように思えてくる。

全体的に雪の切ない雰囲気に溢れた一作であり
そういう中だからこそ、ちょっとした会話が温かいのだけど
それもすぐになくなってしまいそうな儚さがある。
そんなしっとりとした雰囲気に
ちょっとひたってみたい人向け。


2、スイートスイートクリスマス (イシル 様 制作)
クリア時間 16分(初エンド、キーボードプレイ)
      +12分(もう一つのエンド回収、ゲームパッドプレイ)

ペール・ノエルの落としたステッキや雪花の結晶を探す
魔族の猫ミラーシャの掌編ジャンプ横スクロールアクション。
森、町(リベラノックス)、スターロード、ファンタジーランドの
全4エリアを探索する。

システム的には標準的なジャンプアクションだが
ジャンプが素早くジャンプした後にふわふわと降りるという
少しクセのある挙動になっている。
ジャンプ力も高くないのもあって、
ジャンプして飛び乗るのに少し苦労するが
ステージ構成は比較的親切にできているので
このジャンプの挙動を理解して低いところから
少しずつ上っていけば進みやすい。
下から上れる足場の角にぶつかると止まってしまうので
角の下くらいからジャンプするようにするのがコツ。
階段状の地形は苦手なので避けてほかのルートを進むのが吉。
屋根のような意外なところに飛び乗れることもあって
思いもよらないルートも面白い。
アクションステージではゲームパッドも使えるので
持っているなら使うとかなり楽に進める。

一応、敵キャラ的なもので蛇がいるが
上に乗る分にはセーフ、回復アイテムも道中に配置してあるので
やられることはほぼなく、難易度はかなり優しい。

雪花の結晶を全て集めたかどうかでエンディングは分岐する。
集めたエンドは集めなかったエンドの裏側なので
先に集めなかったエンドを見る方がしっくり来る。
ただ、雪花の結晶はステージの配置の仕様上、初見だと
集めようとしても見逃すと思うので
自然と誘導されているのは構成的に面白い。

ゲームの雰囲気が可愛らしく、
少しクセのあるジャンプによって何回もジャンプして
ようやく飛び移れたり、
小さい段差を少しずつジャンプで上ったりと
実はゲームシステム的にも
可愛らしい小動物が頑張ってジャンプしている
構図が出来上がるようになっている。ミラーシャのキャラと
この挙動は結構合っていると思う。
アクションゲームといえば
サクサクテンポよく進むイメージが先行しがちだが
本作のようにまったりとしながらも
頑張って進めるアクションというのも
なかなかに趣深い。

小ジャンプでちょっとずつ上っていくという頑張りを楽しめる一作。
ファンタジーで可愛らしい世界観が好きな人向けであることに加えて
少しずつ進んでいく頑張りが好きな人向け。


3、宵闇ノ影 (C3 様 制作)
クリア時間 66分(初クリア ED2)
      +14分(全エンド回収 ED4→3→1の順)
      +39分(ギャラリー100%+スペシャルモードクリア)

会社に取り残された4人の男女が
それぞれの目的のために社内を探索する短編ホラーゲーム。

探索ゲームとしての舞台設定として
会社という設定が活きていたのが印象的で
ところどころにカギがかかっていたり
重要なデータを調べるにはパスワードが必要だったりと
ギミックが非常に自然。
それに加え、BGMよりもキャラクターの足音が響く音や物音の方が
よく聞こえるために、実際にビル内を探索している感覚が強く
ひきこまれる雰囲気が出ている。

調べられるオブジェクトは多く、
調べるたびに、本棚から本が飛び出して開く、
PCのモニターがついてから画面が表示される
調べる棚によって開け方が全く違う
など、細かいところまでドットが打たれており
探索ゲームの”調べる”という要素に
こだわりを持って作られたのがよく分かる。
ドットという点ではEDでは一枚絵を表示されるだけではなく
キャラクターが細かく動くのも印象的で
特にあるEDでの真相をドットのアニメーションで表現するのは
この表現だからこその演出だとしみじみと思う。

システム的にはザッピングシステムが特徴で
途中あたりから2人や3人の視点を切り替えることができる。
本作のザッピングはキャラの掘り下げ的な面が強く
「一方その頃、あのキャラは何をしていたのか」というものを
表現する役割が強かったように思う。
ザッピング自体はしないでも進めることができ、
EDに影響するのは最後の3人でのザッピングだけである。

探索の難易度自体は高めの方に入る。
調べられるオブジェクトの多さ、マップの多さに加え、
ザッピングシステムで実質的にそれが倍になってしまっている。
ザッピングはメインを進めれば探索範囲を減らせそうに思える。
だが、一見すると主人公っぽい月宮潤がメインかと思いきや
彼がザッピングされるサブ側になっている場面もあるので
プレイヤーはメインルートを進めているのか
ザッピングルートを進めているのか混乱しやすい。
"どのオブジェクトを調べればいいのか"については
そのオブジェクトが光ったり近くのものが動いたり
影が誘導してくれたりするので
こういったミクロな誘導は分かりやすい。
しかしながら、それ以前の"どのマップを調べたらいいのか"については
そもそも何をしたらいいのかが漠然としていたり
問題点は分かっても対処法がイマイチ分からなかったりで
マクロな誘導がもう少し欲しい印象もあった。
結果的に何か新しいイベントが起こったら
全ての部屋を洗い直すみたいなプレイになりがちだった。

キャラ面についてはネタバレなしで書くと
初見の印象とエンディングまでたどり着いたときの印象が
変わり、エンディング1を見るまでは
真相のヒントはあれど、なかなか予想できない展開だったと思う。
直接の関係者でないがゆえに、エンディングでは
蚊帳の外になってしまったキャラもいたが、
ギャラリーを"ほぼ"完全に埋めた後にタイトルに出るスペシャルモードで
しっかりと掘り下げられて良かった。

本作は長い時間、操作キャラの周りだけが明るく見える暗闇の状態が
続くが、本作を象徴した演出だと思う。
キャラクターには過去があって、それは
懐中電灯で照らしたようにほんの少しずつしか明かされない。
物語全体がどうなっているのかをプレイヤーが知るには
様々なところを歩き回る必要がある。
そうして歩き回った結果、全体図がようやく見える。
本作はそういうゲームだ。
全体図が掴みづらいために探索自体の難易度は高めだが
オブジェクトの細部の作りこみや舞台設定の良さから
キャラクターごとのリアクションの違いや
ちょっとしたオブジェクトの変化、
リアリティのある没入感の高い雰囲気を
じっくりと堪能して探索したい人向きの一作といえる。


4、嘆きの川が凍りきる前に
 (★Blue Comet 様 制作)

クリア時間 10分

記憶喪失になった”僕”があばら家で出会った
お兄さんの昔話を聞く掌編ノベル。

ノベルゲームとして、
無駄がなくて洗練された文章で
短い文章ながら、ひきこまれる魅力がある。
白黒の画面も、この物語の背景を考えると
非常に合っている。

印象に残ったのは二カ所あって一つは
ポチャンと川に何かが飛び込む音がした場面である。
あの場面は意図的に印象に残りやすく演出されている。
BGMも環境音も止まったところで効果音が鳴るからだ。
読み手が正に文章の通りの体験ができるようになっていて
この物語が小説でなく体験装置としての"ゲーム"の強みを
活かしていた部分だと思った。
もう一つは「雨降るといいですね」のセリフで
あの状況でこのどこか淡々とした言葉を返すというのも
味わい深い。

話の展開自体は読みやすいのだけども
そう思わせたところで、最後の衝撃的な展開に驚かされる。
この展開、初見だとある人物と同様に
きょとんとするが、彼の境遇を考えてみると
自然と起こってもおかしくないことに思えてくる。
こう思わせるほどにシナリオの構成力、キャラの描写力が巧み。

短いながらもしっとりとした気分で
しっかりした文章が読みたい向けの一作といえる。
(※※以下はネタバレを大幅に含むので反転して読むべし)
彼に対する考察をすると、役割に対して固執しすぎるタイプで
そうなったのは、自我の芽生えないような環境で
育ってきたからだろう。そして、運の悪いことに
前任者が自己犠牲によってある問題を解決してしまった。
似たような問題に出くわした時に、自己犠牲で
問題を解決しなければならない、それが自分の役割だと思ってしまった、
その強迫性はたとえ自然と問題が解決されようとも
役割を全うしなければならない、という絶対的な度合いまで
いってしまったのだと思う。
ただ、これは特殊なケースではなく、
日本人なら状況によっては彼と同じようにする人は
決して少なくはないのだろうと、
日本の歴史を思い出すとそう思えるあたりが怖いところである。

彼自身は 裏切りの罰だと解釈したが
改めてこの物語をもう一度読んでみると
直接的には彼女の願いは描写されていない。
あの時に雨が降ってきた意味を
彼がそう捉えたのだと思う。
個人的には、二人を裏切った罰というよりは、
やってしまった行為に対する後悔で
自ら永遠と苦しみ続けているような印象もある。

「あの時雨が降りはじめたのは
彼女が生きてほしかったという願いのはずなのに
あの時、宮司さんは
命を奪われないことにほっとしていたのに
自分は役割に抗えなかった」
そういう裏切りの後悔を自分に語り続ける、そんな物語にも思えた。


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